選定ガイド

ローラ選定ガイド

選定前の注意事項

ローラ幅について

円滑な回転を得るため、ローラ全長(BB:ベアリングもしくはカラー両端間の距離)はフレーム内幅(ff:ローラが入る場所の幅)より若干(1~2㎜)短くすることをお勧めします。
※ローラ公称幅(W)と実寸とは異なる場合がありますのでご注意下さい。 (例:W+2→実数は公称幅より2㎜大きい)

ローラ強度について

  • ・ローラ強度は当社の標準軸仕様を基準に計算しております。お客様で軸をご用意される場合はご注意下さい。
  • ・ご使用の状況によりローラ強度は変わります。各商品ページに記載してます表中の数値は目安値であり保証値ではありません。

搬送物・使用環境

1.搬送物条件の確認

  • ・外形寸法:幅(W)×長さ(L)×高さ(H)
  • ・搬送方向:搬送方向により幅と長さは変わります。
  • ・1個当たりの重量
  • ・形状と材質:ダンボール、プラスチックケース、木箱等
  • ・底面の状態:凸凹、突起物の有無、たわみ等
  • ・積込み方法:ホイスト、クレーン、リフト、手で載せる等

2.使用環境

  • ・温度:常温、低温、高温
  • ・湿度:水気、ほこり

ローラ幅

1.ストレート搬送の場合

ローラ幅は搬送物の幅より50㎜以上で選定して下さい。

ローラ幅:W≧搬送物の幅:W1+50

  搬送物の底面がフラットで硬い場合は、オーバーハング搬送が可能です。

ローラ幅:W≧搬送物の幅:W1×0.7~0.8

2.カーブ搬送の場合

カーブ搬送の場合、搬送物の幅及び長さによりローラ幅は変わります。直線搬送の場合より、搬送物の長さの15%広いローラを選定してください。

ローラ幅:W≧搬送物の幅:W1+50+搬送物の長さ:L×0.15

ローラ間隔の決め方

ローラ間隔(P)は搬送物の底面を常に4本以上のローラで受けるように設計してください。

ローラ間隔: P≧搬送物の長さ:L1 4

搬送物の底面が柔らかい場合は上記以上のローラで支えるように設計してください。

ローラ型式の選定

ローラ1本当たりに求められる強度は搬送物の底面材質、積載時の衝撃荷重により異なります。

1.ローラ1本にかかる荷重の計算

a)搬送物の底面が硬く、変形しない場合(鉄・プラスチック)

ローラ1本にかかる荷重= 搬送物1個の重量 2

b)搬送物の底面が柔らかい場合(木、段ボール、ゴム等)

ローラ1本にかかる荷重= 搬送物1個の重量 搬送物を受けるローラ本数-1

※a)b)によりローラ1本にかかる耐荷重を満たすローラを選定して下さい。

2.積込時の衝撃荷重

積込時に衝撃がある場合は、ローラの1本にかかる荷重に表の係数(N)を掛けて下さい。

ローラ1本にかかる衝撃荷重=搬送物1個の重量×係数(N)

積込衝撃 衝撃例 係数(N)
衝撃なし 搬送のみ 1
弱い ゆっくり手でおろす 1.5
やや強い フォークリフト 1.5~2
強い ホイスト、クレーン 2~3
肩の高さから落とすように積込む 3

自走勾配の選定

・ローラコンベヤを傾斜させて設置すれば搬送物は自重によって動きます。この時の傾斜を自走勾配と言います。自走勾配の値は、搬送物の重量、底面状態、外気の温度・湿度等で変化しますので正確な値の算出は困難ですが目安として表を参照してください。
・ベアリングの種類によっても自走勾配の値は異なります。

概ね下記の順に値が小さくなります。
  • ・①削り出しベアリング
  • ・②プレスベアリング
  • ・③規格ベアリング
・特殊な搬送物の場合はテスト確認が必要です。ご相談下さい。

ご注意下さい。

  • ・パイプ肉厚はJIS規格により、最大12%程度マイナスになる場合があります。
  • ・ローラ表面処理に黒皮と表記されているものは、めっき処理なしです。
  • ・フリーサイズ対応品は製作可能幅範囲であれば、どの寸法も製作可能です。
  • ・フリーサイズ非対応品は、標準ローラ幅のみとなります。
  • ・50とび表記のものは最短幅基準に50㎜単位の製作となります。
  • ・標準軸仕様とは当社コンベヤに使用する場合の仕様です。お客様で軸をご用意される場合、軸径にご注意下さい。
  • ・標準軸は一部商品(アルミ製ローラ、JR-2015)を除き、表面処理は無しです。
  • ・ローラ強度は当社コンベヤ・標準軸仕様を基準に計算しております。お客様で軸、フレームをご用意される場合はご注意下さい。

ご使用の状況(衝撃の有無)により強度は変わります。表記の数値は目安値であり、保証値ではありません。

アイコンの説明

ローラ強度の目安

ローラ公称幅300(305)Wのローラ強度を目安にしております。
  • ・軽軽…300(N)未満(~約30kgf)
  • ・軽…300(N)以上600(N)未満(約30~60kgf)
  • ・中軽…600(N)以上1,200(N)未満(約60~120kgf)
  • ・中…1,200(N)以上2,400(N)未満(約120~240kgf)
  • ・中重…2,400(N)以上3,000(N)未満(約240~300kgf)
  • ・重…3,000(N)以上9,000(N)未満(約300~910kgf)
  • ・超重…9,000(N)以上(約910kgf~)
※kgf=N×0.101972

ローラの材質

スチール・ステンレス・アルミニューム・ABS樹脂などローラの材質を表します。

ローラの表面状態

メッキの有無・アルマイト加工などローラ表面の状態を表します。

ベアリングの種類

プレスベアリング・削り出しベアリングなどベアリングの種類を表します。

ローラ幅

ローラ幅を自由な幅で製作できるかどうかを表します。

カーブ半径

テーパーカーブコンベヤにおいてカーブ内半径を示します。

RoHS指令

EUによる特定有害物質の使用制限指令に対応していることを表します。

駆動ローラとしての利用

ローラをベルト等にて直接回転されるなど駆動ローラとしての使用に不向き、または条件があることを表します。 RBタイプ・NBタイプのグリスタイプについては各詳細ページに許容回転数目安による周速を記載しております。

型式・ベアリングについて

ローラ単体型式

1)ストレートローラ

R - 38 12 P
ローラの種類 ローラ外径(Φ) ローラパイプ肉厚(t) ベアリングの種類
R:スチール製ローラ 08:Φ8 48:Φ48.6 10:t1.0 23:t2.3 無記号:削り出しベアリング
S:スチール製ローラ(Sシリーズ) 12:Φ12 50:Φ50.8 12:t1.2 26:t2.6 P:プレスベアリング
RS:ステンレス製ローラ 19:Φ19.1 57:Φ57.2 14:t1.4 38:t3.8 D:端尺寸法用ベアリング
SS:ステンレス製ローラ(Sシリーズ) 22:Φ22.2 60:Φ60.5 16:t1.6 42:t4.2 NB:規格ベアリング、樹脂製一体型ボス
RA:アルミ製ローラ 25:Φ25.4 76:Φ76.3 21:t2.1 45:t4.5 J:ニードル樹脂ベアリング
SA:アルミ製ローラ(Sシリーズ) 28:Φ28.6 89:Φ89.1 N:削り出しベアリング/安価タイプ
JR:樹脂製ローラ 32:Φ31.8 101:Φ101.6
RB:規格ベアリング入りローラ 38:Φ38.1 114:Φ114.3
42:Φ42.7 140:Φ139.8
※パイプ材質により若干寸法が変わります。※型式により若干厚みが変わるものもあります。  

2)テーパーローラ

R - TC 500 A
ローラの種類 テーパーローラ 内R寸法(㎜) 形状
R:スチール製ローラ TC:標準型 無記号:内900R 無記号:標準タイプ(寸法は各商品ページを参照)
S:スチール製ローラ(Sシリーズ) TCN:廉価型 220:内220R A:小径側Φ42.7
RS:ステンレス製ローラ TCL:幅広型 320:内320R
SS:ステンレス製ローラ(Sシリーズ) 500:内500R
RA:アルミ製ローラ 700:内700R
900:内900R
1200:内1200R
1600:内1600R

ローラコンベヤ用ベアリングの違い

プレスベアリング

外輪・ケースを平板からプレス機械で曲げます。部品に焼入れ加工、めっきをしたものです。安価、軽軽~中荷重負荷回転に適します。

削り出しベアリング

外輪・内輪を丸鋼やパイプ等から削り出して焼入れ加工したものです。保持器(リティナー)により、鋼球どうしの接触がなくなり、プレスベアリングに比べ、回転が良くなるのと、回転音が静かになります。 高品質、軽~重荷重負荷回転に適します。

規格ベアリング

規格ベアリングの採用により、他のベアリングに比べ、静音性、耐久性において優れています。ボス部はカラー(RBタイプ)と樹脂一体型(NBタイプ)があります。

削り出しベアリングとプレスベアリングの違い

ローラタイプの違い

パイプとベアリングを結合するのに色々なタイプがありますが、大きく分けるとカールタイプとカシメタイプに分かれます。

カールタイプ

パイプをカール加工し、ベアリングを圧入する。金型の関係によりローラ幅は50㎜単位の製作となります。カシメタイプに比べ、安価な設定です。

カシメタイプ

パイプにベアリングを入れ、両端を型押しして曲げこむ。カール加工出来ない、ローラ幅フリーサイズのものや、小径・大径・肉厚パイプの場合に採用します。